インテル、ロベルト・マンチーニ監督契約解除!そしてフランク・デ・ブールの監督就任を発表!
イタリア・セリエAのインテルはロベルト・マンチーニ監督との契約解除、そして元アヤックス監督のフランク・デ・ブールの監督就任を公式サイト上で発表しました。
セリエA開幕まで残り2週間...果たして今回の“大ナタ”はうまくいくのでしょうか?
昨シーズンの成績からみるマンチーニ監督の成功と失敗。
ロベルト・マンチーニ(Roberto Mancini, 1964年11月27日 - )は、イタリア・アンコーナ県イェージ出身の元サッカー選手、サッカー指導者。
現役時代のポジションはミッドフィールダーまたはフォワード。
▼Wikipediaより
昨シーズンのインテルは新加入のセンターバック、ムリージョとミランダのコンビを基盤に1-0のウノゼロを重ね、前半戦は首位で迎えましたが、それ以降の後半戦は失点が急増。
リーグ7位に終わった得点力の低さも相まって、シーズン当初予定していたトップ3から大きく遅れをとり、セリエA4位に留まりました。
かつてマンチーニ監督は2004-05シーズンに初めてインテルの監督に就任した際、その年夏の移籍市場でエステバン・カンビアッソ、05年夏の移籍市場ではルイス・フィーゴ、ワルテル・サムエル、ジュリオ・セーザルを、そして06年夏の移籍市場ではマイコン、ズラタン・イブラヒモビッチ、パトリック・ヴィエラを獲得し、他を圧倒するタレント軍団を擁したものの、戦術はイブラヒモビッチへのロングボールで終始し、メディアからは「タレント力でしかタイトルを勝ち取れない監督」と酷評されてしまった過去があります。
そんな過去を払拭するかのごとく、シーズンを通して以前のような個々の戦力的なポテンシャルを活かした戦術を追求するよりも、相手に合わせて試合ごとにシステムとメンバーを入れ替えるという、守備に重きを置きつつ、柔軟なアプローチをとっていきました。
シーズン前半戦はメデルとメロの布陣で失点を抑えたものの、後半戦は得点力不足を解消するため、中盤の軸にブロゾビッチを起用するなど、より攻撃的な布陣を採用して臨みました。
しかしその結果、攻守のバランスが崩壊し、それを修正できないままシーズンを終えてしまった...という印象でした。
なによりも、14-15シーズン得点王のイカルディ含め、ヨベティッチやリャイッチの新加入のフォワード達が不完全燃焼で終わってしまったこと、サンプドリアで前半戦のみで12ゴールを記録し、冬マーケットで加入したエデルが、その後1ゴールしか記録できなかったのは監督の大きな誤算だったのではないかと思います。
信用が地に落ちてしまったプレシーズン。
…とはいえ、個人的には得点力不足さえ解消できれば、来シーズンはCL圏内には食い込むのでは…と楽観的に捉えていました。
しかし、新しいインテルのオーナーである中国の蘇寧グループは、昨シーズン途中まで首位に立ちながら、最終的にチャンピオンズリーグの出場権を逃したマンチーニ監督の手腕を疑問視していました。
蘇寧電器(スニンディエンチー、簡: 苏宁电器、英語:SUNING、日本語読み:そねいでんき)は中国の家電小売販売会社である。
中華人民共和国28省、直轄市、自治区、190の都市に941店舗を有する。
「中国企業500強」で59位、「中国民営500強」で第3位である。
日本においては2009年に家電量販店のラオックスを買収したことで知られる。
▼Wikipediaより
また、先日アメリカで開催されたICC(インターナショナル・チャンピオンズ・カップ)では最終的に5試合で1勝という結果に。
中でもトッテナム戦で1-6、バイエルン戦で1-4、パリ・サンジェルマン戦で1-3と、他リーグの昨シーズン上位チームに完敗したことで解任が決定的となってしまった印象でした。
結果としてインテルはマンチーニ監督との契約を2017年6月まで残していながらも、250万ユーロ(およそ2億8300万円)の違約金を支払うことでマンチーニ監督との契約を解除。
それに伴い、全スタッフとの契約も解消されることになってしまいました。
新監督ってどんな人?
来シーズンの行く末を左右しかねないジェットコースターのような退任劇の後、インテルは公式サイトにてオランダ人のフランク・デ・ブール氏の監督就任を発表しました。
#インテル の新監督はフランク・ #デブール 氏になりました。記者会見は現地時間14時(日本時間本日21時)です。記事へ 👉 https://t.co/6PNGXfYCJ6 #FCIM pic.twitter.com/IxewrwrKZi
— F.C. Internazionale (@Inter_jp) 2016年8月9日
フランシスカス・デ・ブール(Franciscus De Boer、1970年5月15日 - )は、オランダ・ホールン出身の元サッカー選手、現サッカー指導者。
選手時代のポジションはディフェンダー(センターバック、左サイドバック)。
精度の高い左足のキックを武器に最終ラインからのゲームの組み立てに力を発揮した。
特にハーフライン付近から直接前線に飛ばすロングフィードは絶品で、攻撃陣の好機を度々演出した。
現役引退後は古巣アヤックス・アムステルダムのユースチームの監督を務める傍ら、オランダ代表のアシスタントコーチを兼任。
2010年冬にアヤックスのトップチームの監督に就任すると、2010-2011から2013-2014シーズンまでクラブ史上初となるエールディヴィジ4連覇を達成する実績を上げた。2016年にアヤックスを退任し、インテルの監督に就任した。
▼Wikipediaより
現役時代にはグアルディオラ、エンリケ、リバウドといった名手を擁していた00-01シーズンのバルセロナにも所属。
的確なポジショニングで相手の攻撃を防ぎ、正確なロングフィードで攻撃の起点、そして直接フリーキックまで蹴ることができる攻撃的なディフェンダーとして活躍していました。
現役引退後はオランダ・エールディビジのアヤックスの下部組織監督とオランダ代表アシスタントコーチを務め、2010年12月からアヤックスのトップチームを指揮。
4-3-3のフォーメーションを軸にポゼッションとサイドアタックの戦術を駆使し、就任初年度からリーグ4連覇を達成。昨季限りで退任していました。
ちなみに現在イングランド・プレミアリーグで活躍するトッテナムのエリクセン、フェルトンゲン、アルデルヴァイレルトと、ニューカッスルのシーム・デ・ヨングはデブールのアヤックス時代の愛弟子です。
司令塔のいないインテルに、エリクセンのような選手がいたら…と考えてしまうサポーターは私だけではないはず。
インテル公式Twitterでは、記者会見の様子を視聴することができます。
.@FrankRonald1970 の記者会見が生配信されています(伊)⚫️🔵 👉 https://t.co/KPjlfOhs2n #WelcomeFrank #FCIM
— F.C. Internazionale (@Inter_jp) 2016年8月9日
[embed]http://undefined[/embed]
来シーズンのインテルはどうなるの?
創設100年以上のインテルの歴史の中で、初めてのオランダ人監督として期待が高まっているフランク・デ・ブール新監督。
8月21日のセリエA開幕戦まで既に2週間を切っており、まず求められるのは現戦力の見極めと基本戦術の構築ではないかと思います。
恐らくアヤックス時代と同じ4-3-3をベースに、ポゼッションとサイドからの攻撃を主にしていくのではと考えられますが...果たしてオランダとは異なるイタリアの地で機能するのか。
また残りの移籍市場でどのような選手にアプローチをかけていくのか、その手腕に注目していきたいと思います。