大人の社会科見学!世界文化遺産の富岡製糸場に行ってみた!にほんのちからってすげー!
昨日、久しぶりに高校時代の陸上部のメンバー2人と集まることができました。
車中にて「さて…どこ行こうか?」と話し合った結果、群馬県富岡市にある世界遺産の富岡製糸場へ行ってきました。
富岡製糸場ってどんな場所?
[caption id=“attachment_3113” align=“aligncenter” width=“500”] 錦絵(上州富岡製糸場之図)[/caption]
富岡製糸場(とみおかせいしじょう、Tomioka Silk Mill)は、群馬県富岡に設立された日本初の本格的な器械製糸の工場である。1872年(明治5年)の開業当時の繰糸所、繭倉庫などが現存している。日本の近代化だけでなく、絹産業の技術革新・交流などにも大きく貢献した工場であり、敷地を含む全体が国の史跡に、初期の建造物群が国宝および重要文化財に指定されている。また、「富岡製糸場と絹産業遺産群」の構成資産として、2014年6月21日の第38回世界遺産委員会(ドーハ)で正式登録された。
▼引用 Wikipediaより
時期によって「富岡製糸場」(1872年から)、「富岡製糸所」(1876年から)、「原富岡製糸所」(1902年から)、「株式会社富岡製糸所」(1938年から)、「片倉富岡製糸所」(1939年から)、「片倉工業株式会社富岡工場」(1946年から)とたびたび名称を変更している。史跡、国宝、重要文化財としての名称は「旧富岡製糸場」、世界遺産暫定リスト記載物件構成資産としての名称は「富岡製糸場」である。
すべては日本の近代化のために
江戸時代末期、外国と貿易を始めた日本の当時最大の輸出品は生糸でした。
生糸の輸出が急増し、需要が高まった結果、質の悪い生糸が大量につくられる粗製濫造問題が発生。
諸外国から生糸の品質改善の要求と外国資本による製糸工場の建設の要望が出されました。
明治維新以後、富国強兵を目指した日本政府は外貨獲得のため、生糸の品質改善と生産向上を急ぎます。
しかし当時の民間資本による工場建設は困難な状況であったため、洋式の繰糸器械を備えた官営の模範工場をつくることを決めました。
この模範工場の基本的な考え方は主に以下の3つ。
・洋式の製糸技術を導入すること。
・外国人を指導者とすること。
・全国から工女を募集し、伝習を終えた工女は出身地へ戻り、器械製糸の指導者とすること。
こうした考え方をもとに雇い入れられたフランス人、ポール・ブリュナの指導のもと、西洋の技術を取り入れた官営模範器械製糸場として富岡製糸場が建設され、現在までほぼ変わらぬ姿で残されています。
(富岡製糸場以外にも、八幡製鉄所と造幣局は日本三大官営工場として有名ですね)
そもそもなぜ、富岡市なのか?
明治3年、富岡製糸場の設立計画を担当した政府の役人の一人である尾高惇忠とポール・ブリュナらが武蔵・上野・信濃の地域 を調査し、上野(こうずけ)の富岡(現在の群馬県富岡市)に場所を決定しました。
・富岡付近は養蚕が盛んで、生糸の原料である良質な繭が確保できる。
・工場建設に必要な広い土地が用意できる。
・製糸に必要な水が既存の用水を使って確保できる。
・蒸気機関の燃料である石炭が近くの高崎・吉井で採れる。
・外国人指導の工場建設に対して地元の人たちの同意が得られた。
以上のような理由により、富岡にて建設が始まりました。
早速敷地内へ…
お盆期間中ということもあり、観光客もそこそこ。
全体的に年配の方が多い印象でした。
チケットは入口近くで購入することもできますが、駐車場から製糸場へ向かう途中にある売店でも販売しているので混雑時には便利かも。
「来たからには真面目に勉強して帰ろう!」とガイドツアーをお願いすることに。 ちなみに料金は200円で、専用の音声ガイドと一緒にスタンプラリーにも参加することができます。
東置繭所(国宝)
主に繭を貯蔵していた建物です。
長さおよそ104mにもおよぶ巨大な繭倉庫で、2階に乾燥させた繭を貯蔵し、1階は事務所・作業場として利用していました。
倉庫1棟には最大で2500石(約32t)もの繭を貯蔵することができたそうです。
現在では1階が資料館となっており、当時の資料や世界文化遺産の認定証などが展示してあります。
2階には貯蔵庫がそのまま残されており、女工さんの書いた鼠小僧の落書きもそのままになってあります。まさか書いた当人は国宝になるとは思わなかったことでしょう…笑
建物は木造の骨組みにレンガを積み並べた構造「木造レンガ造」という西洋の建築技術に、屋根は日本瓦で葺き、漆喰でレンガを積むなどの日本建築の要素を組み合わせて建てられました。
検査人館(重要文化財)
生糸の検査などを担当したフランス人男性技術者の住居です。
後に改修され、現在は事務所として使用されています。
2階には政府の役人や皇族が訪れた際に使用された「貴賓室」がほぼ当時の状態のまま残されています。
繰糸所(国宝)
繭から糸を取る作業が行われていた建物です。
長さ約140mの巨大な工場で、創設時にフランスから導入した金属製の繰糸器300釜が設置され、世界最大規模の器械製糸工場でした。
小屋組みにトラス構造を用いることで建物の中央に柱のない大空間を作り出すことが出来ました。
首長館(重要文化財)
指導者として雇われたフランス人ポール・ブリュナが家族と暮らしていた住居です。
レンガ造りながらも、日本の気候に合わせて床が高く、建物の四方にベランダが回り、窓にはよろい戸を付けた風通しの良い作りとなっています。
ブリュナが去った後は工女の寄宿舎や教育・娯楽の場として利用されました。
その他にも西置繭所が国宝に、蒸気釜所、女工館、鉄水溜、下水竇及び外竇が重要文化財として、ほぼ創業当初の状態で良好に保存されています。
改めて知るメイドインジャパンの魅力
外国人指導者が去った明治9年以降、富岡製糸場は日本人のみで操業されました。
官営期を通しての経営は必ずしも黒字ばかりではなかったそうなのですが、高品質に重点を置いた生糸は海外でも好評だったそうです。
当時からメイドインジャパンの技術は海外に誇るべきものだったんだなと感じた、大人の社会科見学でした。
富岡製糸場
所在地:群馬県富岡市富岡1-1
開場時間:9:00〜17:00(受付は16:30まで)
休場日:12/29〜31 ※平成28年3月より水曜日も開場
料金:大人1,000円、高校・大学生250円(要学生証)、小・中学生150円
アクセス:
上信電鉄上州富岡駅から徒歩約15分
上信越自動車道富岡ICから無料駐車場まで約10分、無料駐車場から徒歩約20分
お問合せ:0274-62-5439 (富岡市観光おもてなし課)
※ガイド有(予約不要、1人1回200円)、団体見学の場合は事前申し込みが必要となります。
※携帯電話型音声ガイド(貸出料:1台200円)